Color No.01 Red Head 1941 1-1/2oz

2HOOKモデルと呼ばれる最初期のマスキージッターバグ。
マスキーサイズ(マスキーは北アメリカに生息する魚マスキーパイク)は1941年のカタログにはじめて登場します。

初期のもののフックはスタンダードサイズと同様に腹部に一か所、おしりに一か所の計2か所でした。その後、第二次大戦中は生産が中断され、終戦後、1949年のカタログにお腹にフックがなく両側面にフックがついたお馴染みのスタイルになって再登場します。1948年のアウトドア雑誌に広告が打たれているのでカタログ登場の少し前から流通していたと思われます。

と、これまでそんな風に考えていたのですが、海外サイトで面白そうなものを見つけました。

購入後、到着を楽しみに待っていたのですが、なんと配送業者さんが最寄りの営業所から私のもとに届けるまでに荷物を紛失してしまったとのことで、数か月たった今も見つからずじまいです。日本に来る前に海の向こうのどこかで紛れてしまったのならまだしも、すぐそこまで来ていてどこかへいってしまったというのは残念で仕方がありません。

というわけで、出品の画像をプリントしたものを頼りに推測するしかないのですが…
このボディーは本文でも触れましたが、力強いフォントのJITTERBUGで明らかに最初期の2HOOKのものです。しかしフックは一般的なマスキーのように側面についています。はじめは2HOOKを使っていた人が後に発売された3HOOKモデルを見て同じように改造したのかと思いましたが、

よく見てもベリー(お腹)にねじを外した跡がありません。ということはボディーは加工前の新品だったということになります。リグはおそらく2nd styleの両サイドをカットしたものだと思います。(再登場時は7th~の三角タイプのサーフェイスリグになっています。)
ですので、加工前のボディーが手に入った関係者が作ったか、1941年の発売後から1949年のモデルチェンジまでの間に作られた試作品か試験的に発売されたプロトタイプのようなものではないかと思います。2HOOKのマスキーがカタログに載ったのは1941年だけなので普通に流通していたとは考えにくいです。
サイドのリグ取り付けの付け根部分が大きくえぐられているのは、フックの動きが良くなるようにこの状態で2ndリグを削ったためか、または逆にフックの動きや遊びが悪くボディーを傷つけてこうなってしまったのかもしれません。もしかしたら三角タイプリグの改良へのきっかけのひとつにもなったかもしれません。

プロトタイプのようなイレギュラーなものはあれこれと想像を掻き立て、著しく心がトキメキ、また動揺し、楽しい時間を与えてくれます。あゝ、やっぱり手にしたかったなぁ、私以外の人にはきっと価値がないし今頃どこにあるのやら。

その後、マスキーサイズのジッターバグは、ウッドからプラスチックのボディに変わり、リグも三角からヒートンに変更されました。1990年までで“マスキー”という名は廃止され、1991年からは“マグナム ジッターバグ”に変わり、ウッド製とプラ製と両方が発売されました。1996年から“XL ジッターバグ”となっています。今でも根強い人気を誇っています。